代表挨拶
代表挨拶

理事長 若月秀夫 一般財団法人 学校教育研究所は、教科書に関する問題を広い視点から研究するため昭和31年に設立され、平成24年には一般財団法人の認可を受けた研究機関です。その間様々な教育問題の本質を見極め、同時に社会の変化や現場感覚を大切にしながら、新たな学校教育を実現する具体的方策を世の中に発信してまいりました。また、教育に対する高い志と、広い視野・深い知恵をもった人材を育てていくことにも力を注いでおり、教育政策研究と人材育成を両輪として、社会をよりよく変えていくことを目指しています。

 グローバル化の進展などにより世界全体が急速に変化する中にあって、産業構造の空洞化や生産年齢人口の減少など、深刻な諸課題を抱える我が国は極めて危機的な状況にあり、東日本大震災の発生は、この状況を一層顕在化・加速化させました。

 これらの動きは、これまでの物質的な豊かさを前提にしてきた社会の在り方、人の生き方に大きな問いを投げ掛けています。これらの危機を乗り越え、持続可能な社会を実現するための一律の正解は存在しませんが、社会を構成する全ての者が当事者意識をもって危機感を共有し、自ら課題探求に取り組むなど、それぞれの現場で行動することが求められています。

 こうした変化に伴い学校教育においても、その求められる人材像が変化するとともに、学校現場が抱える課題も複雑化・多様化しています。そのため、これからの教員は課題探求的な活動を自ら体験し、新たな学びを展開できる実践的指導力を習得するとともに、複雑かつ多様な新たな課題に、幅広い視野を持って柔軟に対応できる能力を身に付けなければなりません。

 学校教育研究所はこうした問題意識に立ち、柱となる二つの事業を用意しています。その一つが全国の国公私立の小中学校を対象にした『研究助成事業』です。これは山積する教育諸課題を解決し、今求められる学校教育の独創的な研究・実践を支援することが目的です。助成期間は二年間で、物心両面からの支援をさせて頂きます。学校現場からのリアルで斬新な報告、提言を期待するものです。

 第二の事業が『教育課題研究プロジェクト事業』です。これは主として学校管理職と本研究所の所員が共同で年間テーマを設定し研究を進めていくものです。特に教育政策や施策、そして学校経営の在り方に関し対処療法的アプローチではなく、より本質的な観点から問題点の所在や解決の方向性を提言していこうとするものです。ここでの研究の成果は、本研究所の『年報』において報告されます。

 そのほかの事業として、本研究所は年3回『教育時評』を刊行しています。これはその時々の教育時事問題に焦点を当て、斯界の研究者にその考え方や問題点をわかり易く要約、論評していただくものです。

 このように、本研究所は広く学校教育の問題について理論的で具体的な研究活動を進めてきましたが、今後も、わが国の教育の発展のために一層努力してまいります。

皆様には変わらぬご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げます。